2011年10月30日日曜日

10月16日 おとな大学開校イベントを行いました

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10月とは思えない真夏のような暑さの中、おとな大学開校イベント「としま的若者支援 豊島だからこそできることを語る、探る、創る」が10月16日(土)に開催されました。
定員以上の約60名が参加し、豊島区でNPOや教育に携わっている方、中には名古屋から来場された方もいました。また当事者である高校生や大学生の参加もあり、活発な意見交換が行われました。

この事業は、豊島区、みらい館大明を運営するNPO法人いけぶくろ大明、独自の切り口で若者支援を行なってきたNPO法人NEWVERYによる三者協働若者支援事業として11月から開校するものです。豊島区ならではの「地域」と「文化」を切り口として若者が「おとな」になるための講座や場を提供していく予定です。
(◎写真1:右から、開校の挨拶をするNPO法人いけぶくろ大明杉本カネ子理事長、NPO法人NEWVERY山本繁理事長、豊島区商工文化部長東澤昭氏)

以下、当日の様子の報告です。



□■第1部 基調講演 「若者はなぜ『就職』できなくなったのか~若者をとりまく現状~」■□
講師 児美川孝一郎先生(法政大学キャリアデザイン学部教授・学部長、キャリア教育・教育哲学を専門とする)
1990年代までは「家庭→学校→企業」という若者が自立するためのモデルが存在したが、バブル崩壊や企業の終身雇用制度の崩壊など多くの社会変化が起きたことで、家庭、学校、企業それぞれの「社会教育」「人材育成」の力が弱くなっていること、さらにそこへ若者への「自己責任論」が盛り上がり、現代は若者が非常に生きづらい社会になっていると現在の若者をとりまく環境についてわかりやすくご講義いただきました。

児美川先生には、「これからは地域(コミュニティー)が協力して若者の受け皿となることが求められており、豊島区発のおとな大学にも期待している」と力強いお言葉をいただきました。
講演終了後、会場からの「これから若者支援は具体的に何をすべきなのか」という質問に対しては、「若者に大手企業に就職する以外の道、例えばNPOで働く、起業する、海外で就職するという多くの選択肢があると教えることが大切。たくさんの大人と出会い、さまざまな生き方を見せることが若者には必要だ」とのアドバイスがありました。

□■第2部 パネルディスカッション 「豊島区だからこそできる若者支援の形」■□
パネラー 児美川孝一郎先生・NPO法人いけぶくろ大明荘司哲夫理事
NPO法人NEWVERY山本繁理事長 豊島区文化商工部東澤昭部長

1部の講演に対し荘司氏は、みらい館大明で演劇に携わる若者に接する立場から、「現代の若者は将来のことには目をつぶり、現在の楽しみのために刹那的に生きているとしか思えない子もいる。それは生きづらい社会での処世術なのかもしれない」と感想を述べました。

司会の山本絵美(NPO法人NEWVERYおとな大学事務局長、写真右端)が豊島区ならではの若者支援について問うと、東澤部長は「豊島区は100年の歴史の中でアトリエ村やトキワ荘など若者を取り入れながら、文化とともに発展してきた。その特色を生かして若者支援に取り組めるのではないか」とのお答えをいただきました。

会場から「『地域』とは何か」という質問が上がると、児美川先生は「そこに住んでいなくとも、関心を持ってある地域に関わり人と関係性を築いていれば、そこがその人にとってのコミュニティとなる」と述べ、山本理事長も「アメリカの教会のような、居場所となるコミュニティを地域で築けないかとずっと考えてきた。おとな大学はそれに対する挑戦でもある」と見解を述べました。「約1年の準備期間を経て、今日この日を迎えることができた。多くの方に感謝するとともに、これから多くの来場者の協力を得てコミュニティを作っていきたい。」という山本理事長のことばで、第2部は終了しました。 

その後の任意参加の交流会では参加者のうち半分以上の約30名にご参加いただき、講演やパネルディスカッションの感想、今後のおとな大学への期待など話に花を咲かせていました。


アンケートでは回答者の約90%が満足だったとご回答いただきました!
★講師・パネリストの人選が適切で、中身の濃い話を聞くことができた。 (50代・女性)
★『コミュニティ』をどこにおくか、家に帰ってからもう一度考えたいと思った。(20代・男性)
★上の世代は若者にいかに適切な導きをしていけるのか、かなり困難な問題と感じた。(50代・女性)
★社会が学校教育現場に影響を与える場になってほしい。 (20代・男性)
★豊島区のこのようなコミュニティ活動が今後発展していくと良い。(40代・男性)

~「おとな大学」とは?~                     
豊島区、みらい館大明を運営するNPO法人いけぶくろ大明、独自の切り口で若者支援を行なってきたNPO法人NEWVERYによる三者協働の若者支援事業として、11月に開校する、若者が「おとな」になるための場です。豊島区ならではの「地域」と「文化」を切り口として若者を対象とした講座を開催していきます。 
公式サイト:http://www.otonadaigaku.com/

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